人気のデザイナーズ物件

デザイナーズマンションについて知ろう!

デザイナーズマンションとは

いわゆる “集合住宅”のような効率や採算に応じて作られたものとは違う、デザイン性・個性を大切にした住まい。建築家の思い、こだわりを形にしたもの。ここで注意したいのが、単にコンクリート打ちっ放しを施すなどの奇抜なデザインのマンションを指すわけではないということ。そこにあくまで建築家の信念・コンセプトがあり、それを軸に作られてはじめて“デザイナーズマンション”と言えます。例えば螺旋階段やガラスブロックは空間をより広く見せるためのこだわりで、それがコンセプトであればまさに“デザイナーズマンション”です。

デザイナーズマンションの実態

以前のデザイナーズマンションはこだわりすぎてか、住みやすさに重点がおかれず、収納が極端に少なかったり、住まいとしては不便を感じるものが多かったのですが、最近のものは住みやすさやセキュリティ面をクリアした上で建築家のこだわりが反映されているものがあるようです。いずれにせよ、デザイナーズマンションの人気は以前根強く、空室を見つけられないどころかキャンセル待ち物件が多いとのこと。家賃が通常より高くても、住まいにこだわりたいという人が多いようです。

今注目のデザイナーズマンション

デザイナーズマンションが、いま再び注目を浴びているようです。特に大都市圏でのニーズは高く、新築物件が売り出しと同時に完売になったり、賃貸では入居の順番待ちの物件も多いとか。

デザイナーズマンションの歴史

その華やかなイメージとは裏腹に、デザイナーズマンションの登場は、実は日本の住宅のあり方を根本から問い直す、画期的なものでした。それまでの住宅が、公団や大規模な建て売り分譲に代表されるような無個性で画一的なものだった時代に、室内空間の居住性、利便性を追求する以外にも求めるべきものがあることを、高らかに宣言したのです。

住まうことの喜び

言ってみれば、私たちがファッションやクルマ、家電や家具に優れたデザイン性を求めるのと同様に、住宅にそれを求めても何らおかしくはないことに気付かせてくれた、それがデザイナーズマンションでした。なによりもそれは私たちに、「住まうことの喜び」を教えてくれた。このことの持つ意味は、たいへん大きかったと言えるでしょう。

「作品」としてのデザイナーズマンション

そして建築家からすれば、デザイナーズマンションとは自らのコンセプトを前面に押し出し、クリエイティビティを存分に発揮し、その革新性や先進性を問うための格好の舞台でした。中でも一流と言われる人々によって創造されたデザイナーズマンションは、住宅という人間にとってもっとも身近な建築物を媒介に、私たちの未来のライフスタイルを提起するまでに至りました。それはもはや、単なる住宅を超えた「作品」と呼ぶべきものであるのかもしれません。

デザイナーズマンションの衰退

バブル期のマネーパワーを背景にしたムーブメントだったことが、デザイナーズの不幸だったという側面は確かにあるでしょう。間違ったイメージも生まれました。曰く、デザイナーズマンションは地震に弱い、機能的でない、割高である、などなど。まっとうな建築家が、耐震性や耐火性をおろそかにするはずなどあり得ませんから、地震云々はその瀟洒な、あるいは奇抜な外観から受ける印象だけで語っているに過ぎませんし、機能的、割高というのは、そもそも評価軸をどこに置くかで結果はまったく異なってきます。有名ブランドの服が、寒さを防ぐという点で量販店のものと機能が同じであるのに、値段が何倍もするのはおかしい、という理屈にも似ています。

デザイナーズマンションの復興

ともあれ、バブル崩壊と共にデザイナーズマンションはいったんは表舞台からは姿を消したかにも見えました。しかしながら、真に創造的であろうとする建築家がいて、そして同じく創造的なライフを送りたいという人々がいる限り、デザイナーズマンションはその進化を止めることはないでしょう。それはもはやブームなどではなく、ごくごく当たり前のアティチュードなのですから。

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